2020年4月の民法改正により、「瑕疵担保責任」という名称から「契約不適合責任」に変更されました。これにより、契約内容に適合しない点があれば、売主が責任を負うことが明文化されました。

今日は、この契約不適合責任についてお話します。

■契約不適合責任（瑕疵担保責任）とは？

契約不適合責任とは、売買契約において売主が買主に対して負う責任のことを指します。具体的には、物件に隠れた欠陥（瑕疵）があった場合、売主がその修補や損害賠償を負う責任を意味します。これは中古住宅を購入する際の重要な保証制度の一つです。

この責任に基づいて、もし購入した中古住宅に隠れた欠陥が見つかった場合、買主は売主に対して修繕を要求したり、修繕にかかる費用の賠償を求めたりすることができます。売主は、その欠陥を補修する義務や、場合によっては損害賠償を行う義務があります。

■契約不適合責任の期間について

では、どのくらいの期間保証されるのでしょうか。
中古住宅の場合、保証期間について売主の種類によって異なります。

・売主が個人の場合

中古住宅の売主が個人の場合は多いと思います。保証期間については売主が自由に決めることができますので、個人からの購入では長期間の保証はあまり期待できません。地域や中古住宅の状態によって保証期間に差があるものの、個人間の取引の場合、一般的には3か月以内の保証期間が設定されることが多いです。中には1か月以内や2週間以内という非常に短い保証期間の中古住宅も存在します。

売主個人としてはリスクを最小限に抑えたいと考えるため、保証期間を短く設定するケースが多いのです。そのため、個人間取引では長期間の保証を期待するのは難しいといえます。

したがって、中古住宅を個人から購入する場合には、契約前に保証期間についてしっかりと確認し、納得した上で契約を結ぶことが重要です。また、保証期間が短い場合でも、購入後に問題が発生した際の対応についても事前に話し合っておくと良いでしょう。さらに、購入前に専門家に住宅の状態をチェックしてもらうことも一つの方法です。これにより、予想外のトラブルを防ぐことができ、安心して購入に踏み切ることができます。

・売主が不動産会社の場合

一方、売主が不動産会社の場合、保証期間は個人売主とは異なります。不動産会社が売主の場合、宅地建物取引業法に基づき、中古物件に対する契約不適合責任によって保証期間が最低2年と定められています。

この法律により、不動産会社から中古住宅を購入する際は、少なくとも2年間の保証が付いてくるため、安心感があります。ただし、不動産会社によって対応は異なるため、具体的な保証内容や期間については契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。

■契約不適合保証付き物件とは

契約不適合責任保証付き住宅とは、物件の購入後に発生する欠陥に対して、第三者機関が保険を通じて修繕費用をカバーする仕組みを備えた住宅です。この保証により、買主と売主双方のリスクを軽減し、安心して取引を行うことができます。

契約不適合責任保証付き住宅のポイント

1. 第三者機関の保証:
   • 物件に対して第三者機関が保険をかけることで、欠陥が見つかった際に修繕費用を保険金として支払います。
   • 売主が直接修繕費用を負担するのではなく、第三者機関が対応するため、売主のリスクが大幅に減少します。
2. 購入前の検査:
   • 売買契約の前に第三者機関が物件の詳細な検査を行い、保証の対象となるかどうかを確認します。
   • 検査により、隠れた欠陥や潜在的な問題が事前に発見されるため、買主も安心して購入できます。
3. 保険の適用範囲:
   • 保険は構造躯体や主要な住宅設備の欠陥を対象にしていることが一般的です。具体的な適用範囲は保険会社や契約内容によって異なります。
   • 一部の保険では、雨漏りやシロアリの被害、給排水管の故障などもカバーされます。
4. 保証期間:
   • 保険の保証期間は契約内容により異なりますが、一般的には数年から10年程度です。
   • 保険期間中に欠陥が見つかれば、第三者機関に対して保険金を請求することができます。
5. 売主と買主のメリット:
   • 売主: 保険による保証があるため、売却後に発生する修繕費用のリスクを軽減できます。また、保証付き住宅として販売することで、買主に対する信頼度が高まり、売却がスムーズに進む可能性が高まります。
   • 買主: 保険による保証があるため、購入後に発生する欠陥に対する金銭的負担が軽減されます。また、第三者機関の検査によって物件の品質が確認されるため、安心して購入できます。
6. 注意点:
   • 保険の適用範囲や保証内容は契約によって異なるため、事前に詳細を確認することが重要です。
   • 契約不適合責任保証付き住宅であっても、保証の対象外となる事例や、保険金が支払われないケースもあるため、条件をよく理解しておく必要があります。

契約不適合責任保証付き住宅は、中古住宅の購入におけるリスクを軽減し、安心して取引を行うための有効な手段です。購入前にしっかりと内容を確認し、適切な保証を受けられるようにすることが大切です。

■まとめ

いかがでしたか？大きな買い物である不動産、保証内容は気になるところだと思います。

立地や間取りなどが優先的に考えられがちですが、契約不適合責任は中古住宅の購入における重要な保証制度です。購入前にこの制度の内容と保証期間を十分に理解し、リスクを軽減するための準備をしておくことが大切です。ご購入の際はぜひ、保証内容も確認してみてください。

ユニコーンハウジングでは、阪神エリア(西宮市、芦屋市、神戸市東灘区・灘区)を中心に不動産の売買をワンストップでサポートしています。
不動産でお困りの方はお気軽にご相談ください。