マイホームの購入は、多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。その重要な契約の前に必ず行われるのが、「重要事項説明（重説）」です。

この説明は、契約の内容や物件の法的な状況を買主に正しく伝えるために、宅地建物取引士（有資格者）が義務として行うもの。法律で定められたステップであり、不動産取引における“最終確認”とも言えます。

しかし、実際には「難しい言葉が多くてよく分からなかった」「説明を聞いてもピンとこなかった」という声も少なくありません。

重説は買主を守るための大切な手続き。しっかり内容を理解しないまま契約してしまうと、あとから思わぬトラブルに発展することもあります。

今回は、不動産購入者が重要事項説明を受けるときに注意すべき7つのポイントをご紹介します。

 

 

1. 「聞き流す」は禁物。内容をきちんと理解してからサインを

重説では、登記情報、権利関係、接道状況、都市計画、建築制限、インフラの整備状況など、法律やルールに関わるさまざまな内容が説明されます。契約に直接関わる非常に重要な情報が多く含まれています。

ときには1時間以上かかることもありますが、疲れて流し聞きしたり「あとで読めばいいか」と思ってその場でサインしてしまうのは危険です。

説明の中でわからない言葉があれば、その都度遠慮せずに質問しましょう。

 

2. 「法的制限」は将来の建て替えやリフォームにも影響する

特に土地付き物件を購入する場合、「再建築の可否」や「建ぺい率・容積率」「用途地域」などの法的制限は非常に重要です。

例えば、

再建築不可の物件だった

将来的に二世帯住宅に建て替えたかったのに制限があった

境界があいまいでトラブルになった

というような問題は、すべて重説の内容をきちんと理解していれば回避できるケースです。

また、古家付き土地などの場合は、建物の解体や再建築に制限がかかっていることもあるため、特に注意が必要です。

 

3. 中古物件では「現況渡し」の意味を正しく理解する

中古物件の場合、「現況有姿渡し（げんきょうゆうしわたし）」と記載されていることが多くあります。これは、“現在の状態のままで引き渡します”という意味であり、不具合があっても売主に修繕義務がないことを意味します。

例えば、給湯器が古かったり、壁にひび割れがあっても、それが設備表や備考欄に明記されている場合、買主が負担して修繕することになります。

契約前に設備の動作確認ができる場合は、ぜひ立ち会って確認しましょう。

4. 「設備表」は付帯設備とその状態の確認書。必ず目を通す

住宅設備に関しては、重説とは別に「設備表」という書面が添付されます。ここには以下のような情報が記載されます。

エアコン、照明、給湯器、キッチン、浴室乾燥機などの有無

各設備の動作確認結果（正常／故障あり／未確認など）

引き渡し後もその設備が残るかどうか

新築の場合でも、モデルルームと実際の住戸では設備内容が異なることがあります。

「付いていると思ったのに実はオプションだった」というケースもあるため、細かいところまで確認を。

 

5. マンションなら「管理規約」と「修繕計画」も要チェック

マンション購入時は、物件の中身だけでなく「管理の状況」や「将来の修繕費計画」も確認が必要です。

重説の中では、

管理費・修繕積立金の月額

管理会社の有無・体制

修繕積立金の残高や今後の値上げ予定

ペット飼育や楽器演奏の可否

といった項目が説明されます。これらは生活の快適さや資産価値にも関わる部分なので、読み飛ばさずに内容をしっかり把握しましょう。

 

6. 境界・越境・道路との接道状況も要確認

土地や戸建て物件では、敷地と隣地との境界が明確になっているか、また建物や植栽が越境していないかなども重説で説明されます。

特に私道持分の有無や接道義務を満たしているかどうかは、住宅ローンの審査や将来の再建築にも関わるため、重要です。

 

7. 「契約解除」や「違約金」の条件も確認しておこう

最後に見落としがちなのが、契約の解除やトラブル時の対応ルールです。

手付解除の期限はいつまでか

契約違反があった場合、どちらにどんな責任があるのか

天災や不可抗力によって引き渡しができない場合の取り扱い

など、重説には“もしもの時”のルールも細かく記載されています。感情に左右されがちな場面だからこそ、事前の確認が大切です。

 

 

まとめ：重説は「守られるための時間」。遠慮せずに質問しよう

重要事項説明は、宅建士から買主に対して「これから契約しようとしている物件が、どんな特徴や注意点を持っているか」を伝えるためのものです。

法律上の義務であると同時に、買主自身が納得して契約できるようにするための“権利”でもあります。

時間をかけてでも、ひとつひとつ納得できるまで説明を受けることが、安心の第一歩です。不安な点、理解できなかった箇所は遠慮せずに質問しましょう。

ユニコーンハウジングでは、初めて不動産をご購入される方にも安心してご契約いただけるよう、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。大切な資産だからこそ、納得と安心を積み重ねながら、一緒に歩んでいきましょう。

 

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